うつ病になって闘病生活を続けていると「私はこのまま社会復帰できないんじゃないか?」なんて思いが毎日のように頭をめぐったりしますよね?
実際に私もそうでした。
焦れば焦るほど上手くいかなくて、できない自分をまた責めて。
あなたもそんなことの繰り返しじゃ無いですか?
確かにうつ病患者の社会復帰はとても難しいものです。
しかし、決して不可能ではありません。
この記事では、過去の私が「社会復帰なんてできるんだろうか?」と不安に思っている時に知りたかった、どんなことに気をつければ成功しやすいかを分かりやすくまとめています。
あなたも、うつ病から立ち直れる日が必ずやってくると信じて、一緒に進んでいきましょう!
「うつ病」とは何か? 〜自己理解を深める
まずは「うつ病」について、しっかり把握することが大切です。
うつ病とは、脳のエネルギーが欠乏した状態。それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことです。
引用元:厚生労働省 うつ病とは
そんなの知ってるよ!という方がほとんどだとは思いますが、今一度「うつ病」についてしっかり調べてみて欲しいんです。
あなたは「うつ」と診断されてから、病気についての本をどれだけ読みましたか?
ネット検索でも、いくつのサイトを閲覧しましたか?
病院の先生にどれだけ話を聞きましたか?
うつと言っても症状の現れ方は人それぞれです。
出来ること、出来ないこと、それも人ぞれぞれ。
自分の病気についてしっかり理解を深めることが、社会復帰のための第一歩なんです。
洗い出しをしよう!
今、自分は「何が出来るのか?」「何が出来ないのか?」「どんな症状に苦しんでいるのか?」そう言ったことを、洗い出してみてください。
健康な人でも、自分自身のことをしっかり把握できていないものです。
ましてやうつ病を患っている状態なら尚更です。
「何が病気の影響で難しいのか?」
「どれが元々の性格的に苦手なのか?」
「どういったことなら無理せず出来そうか?」
「どんなことが好きなのか?」
そういったことをハッキリ自覚することが、社会復帰の第一歩になります。
わたし自身こういったことをせずに、焦って働き出して大失敗の連続でした。
かなり後になってから、自己認識を深める作業を始めたんです。
そういったことを洗い出していくと、方向性や改善策が見えてくるかと思います。
MBTI診断(16personalities)で自己分析してみよう!
MBTI診断(16personalities)とは、マイヤーズ=ブリックス・タイプ診断(Myers Briggs Type Indicator)の略で、性格を16のタイプに分類する性格診断テストです。
12分程で質問に回答していき、結果によって自分の性格を知ることが出来ます。
これも自己理解を深める上で役立つので、軽い気持ちでテストをしてみましょう!
※ 無料で診断できます。
表示された結果についての解説を、複数ページに渡って読むことができるのですが、アメリカのサイトですので、Google Chromeなどの翻訳機能を使って読むといいかと思います。
また、わかりにくい場合は、表示されたアルファベットをネット検索することで、日本語で解説されているサイトが多数ヒットします。
ぜひ、ご自身のわかりやすい方法で結果を見てみてくださいね!
↓ 性格タイプ一覧
ちなみにわたしは、INFJ-T 提唱者でした。
この診断テストをして、自分のことが以前より明確にわかるようになりました。
もちろんこれが全てではないと思いますが「あ、自分ってそう言われればそうだな〜」って思い当たる部分がきっと見つかるので、ぜひ参考にしてみてください。
社会復帰成功のために必要なステップ
社会復帰を考えだした頃、わたしはすごく焦っていました。
「早くちゃんと働いて、お金を稼いで、遅れた分を取り返さないと!」
と焦って、四六時中、焦燥感でいっぱいでした。
しかし、これが大きな落とし穴だったんです。
自分の出来ること、出来ないこと、改善できそうなこと、そういったことを把握して、自分の無理のないペースでステップアップしていくことが大切だと、後になって気づきました。
その時にわたしが実践した方法をご紹介します。
※ 下記のステップを実践される方は自己責任でお願いします。
まずは主治医やカウンセラーに相談されるのが良いと思います。
ステップ1:適切な治療を受ける
まずはしっかり治療を受けることが何よりも重要です。
毎月ちゃんと病院に行って、主治医の先生に自分の様子を話し、お薬を処方してもらう。
そして、出来るならカウンセリングを受ける。
そういったことがわたしにはすごく大切でした。
カウンセリングで、自分の思考のクセや、何が頭の中を占めていて苦しいのか?などを客観的に捉えることが出来たのです。
うつ病は一進一退です。
焦ることなく、自分を責めずに、ゆっくり治療を受けていきましょう!
ステップ2:自己理解を深める
先ほど洗い出した内容をもとに、「自分は何がしたいのか?」「どのような職場に向いているのか?」「自分は何が出来るのか?」「仕事への条件は?」という自己分析をすることが必要です。
この時に、病気になる前の自分基準で考えてしまうことがあるかもしれません。
それはとても危ういことなので、気を付けてください。
元気だった頃はこんな仕事をしていたから、このくらいは出来るな〜と思いがちですが、今は病気を患っているんです。
過去になんでもなく出来ていたことが、出来なくなっていることも少なくありません。
例えばわたしの場合で言うと、昔は普通に働いていたので、朝8時出勤は難なく出来ていました。
しかし、病気になって昼夜逆転してしまっていたため、お昼過ぎにしか起きれませんでした。
また以前は、居酒屋のように雑音がそれなりにある場所も平気だったのに、病気になってからは大きな音や声が苦手になり、動悸がするようになっていました。
でも昔は出来ていたんだからと、自分を誤って認識してしまったために、とても辛い状況に身を置くことになってしまったんです。
ですから、わたしのような辛い思いをしないためにも、今のご自身の調子やペースに合わせて物事を考えるようにしてみてください。
ステップ3:日常生活の見直し
うつ病が少し落ち着いてきたら、日常生活の見直しをしてみましょう!
うつ病で極限までに辛くしんどい時は、仕事をせずに寝たいだけ寝たり、家事も後回しにしてゆっくりすることが大切ですが、その状況から少し抜け出したと感じた時には、生活の見直しをする時期かもしれません。
これは人それぞれだと思うのですが、自分が生活を改善しよう!と少し思えてきてからで大丈夫です。
無理をして、誰かに言われたから見直すんじゃなくて、自分から見直してみようかなと思えた時が一番ストレスなく出来ると思うからです。
何度も言いますが、焦る必要も、出来なかったことで自分を責める必要も全くありません。
ゆっくりでいいんです。
先ほどもお伝えしたとおり、当時のわたしは、いつもお昼過ぎに起きて、夕方5時くらいにならないと体が全く動きませんでした。
お日様が出ている間は動けないんです。
そして暗くなると少し動ける。
そんな生活でした。
なので、生活を見直そうと思った時にまずやったことは「昨日より30分早く寝る」ということだけを心がけました。
明け方5時に寝ていたのを、4時半に寝る。
それが出来たら次の日は4時に寝る。
そうやって少しずつ寝る時間を早くしていったんです。
もちろんスムーズにうまくいったわけではありません。
4時に寝ようと決めていても、5時半になってしまうこともしばしば。
でも自分を責めないようにして「昨日より30分早く寝る」に毎日毎日チャレンジしていったんです。
それを繰り返すうちに、夜の9時〜10時には寝て、朝6時には起きれるようになりました。
なので少しずつでいいんです。
「昨日より30分早く寝る」と言う目標を聞いて、ハードルが低いなと思われた方も多いと思いますが、ハードルは低い方がいいんです。
低いハードルをいくつも超えることによって、成功体験を積み重ねることができます。
成功体験がとても大事で、「昨日よりできた!」「一週間前よりこれだけできた!」「1ヶ月前よりこれだけできた!」そうやって振り返ると自信につながるんです。
まるでダイエットと同じです!
1日で3キロ痩せよう!なんて難しいですよね??
と言うより体に悪影響です。
でも1日100グラムなら無理なくできそうじゃないですか?
そうやって少しずつ体重を落としていきますよね。
それと考え方は同じです。
ご自身のペースとアイデアで、日常生活の改善にトライしてみてください!
焦りと自己否定は手放しましょう!
ステップ4:アルバイトやパートから始めよう!
長い間、休職や退職の状態が続くとお金のことが不安になってしまうものですよね?
その焦りと不安から、いきなりフルタイムで働こうとしてしまいがちです。
しかし、それは非常に危険な行為なんです。
気力も体力も落ちている状態で、いきなりフルタイムで働くと、無理をしてしまって悪化することもあり得ます。
わたしがそうでした。。。
まずは、週3日、1日3〜4時間くらいのアルバイトやパートに挑戦してみませんか?
ステップ2で洗い出した条件をもとに、仕事を探してみましょう!
わたしが病気だった頃にはリモートワークや副業はメジャーではありませんでしたが、今の時代はそれも可能です。
そういった、家でマイペースにできる仕事も視野に入れてみてください。
当時のわたしは、まだ障害年金などの国の支援についての情報や知識がなく、本当にお金に困っていました。
実家に強制送還されたので、住む家や食事は親が用意してくれましたが、それ以外の細かいお金は自分で出すように言われていました。
収入がない上に、生きていくにはお金がかかると言う現実に押しつぶされそうで、いつも焦燥感と動悸で苦しかったのを今でも覚えています。
そんな状態だったので、わたしは、仕事探しの条件の一番最初に “ 給料の高さ “ を持ってきていました。
それが大きな過ちだったのです。
給料が高いと言うことは、仕事内容も勤務日数・時間もハードルが上がります。
それがわたしを何年も苦しめました。
思考がまとまらない頭と、記憶力の欠如、体力のなさと気力の限界。
いつも仕事から帰ってくると、動けなくなっていました。
休みの日は寝たきり状態。
次第に、仕事に行くのがストレスになって嘔吐を繰り返す日々。
そんな状態で続けれるわけもなく、仕事を辞めることになります。
病気も悪くなり、結果、寛解への道が遠のいたのです。
ですから、どうかわたしと同じ過ちは犯さないでください。
「急がば回れ」
これが何よりも大事なんです!
それからもう一つ、過去のわたしが気に病んでいたことがあります。
それは、世間の目です。
未成年なら働いていなくても社会的視線は問題ないのですが、いい大人が働いていなかったり、アルバイトやパート(独身の場合)だったりすると、社会的視線が厳しいものだったりしますよね?
それに、ご自身にプライドがある場合もありますよね?
わたしもそういったものに悩みましたが、今思えば、悩む必要はなかったなと感じています。
周囲からどう言われようと、あなたの人生はあなたのものです。
誰も本当の苦しみを理解することはできません。
ましてや体裁云々を言ってくる人たちは、あなたがこれまで何を考え、何を思い、何に苦しみ、何があったのか、あなたの人生を1%も知らないのです。
人の人生を知らないのに、自分の価値観と無知だけであなたを図ろうとしているに過ぎないのです。
そんな周囲の言葉や視線なんて気にする必要はないとわたしは思います。
そんな無責任な目に振り回されて、わたしのように病気が悪化するなんて本末転倒ですよね!?
世間の目なんて気にしない強さを持ってください!!
とは言っても気にしてしまうのが人間の性です。
「気にしない」ができるんなら最初から病気になんかなっていない!!
そう言いたくなる気持ちはよく分かります。
でも、当時のわたしは心の中でそうやって悪態をつきながら、無理矢理にでも「気にしない」ということを心がけるようにしていたんです。
別にわたしのように心の中で悪態をつく必要はないので、あなたのやりやすい方法で少しづつ「気にしない」ということを意識してみてほしいです。
ステップ5:転職エージェントを利用する
そして症状もだいぶ安定してきて、日常生活も改善され、週2〜3日のアルバイトやパートも無理なく続けられる状態まできたら、いよいよ就職を考えてみてもいいでしょう。
ただ、世の中にはいろんな転職サイトがありますが、ちょっと不安ではありませんか?
「本当に自分は働き続けれるのか?」
「また病気が悪くなってしまわないか?」
「ブランクがありすぎて、自分にできるのか?」
「病気だということで採用されないんじゃないか?」など。
わたしも不安でいっぱいでした。
焦って働き出したため、精神病に理解と知識のない会社に勤めてしまうことが多かったのです。
転職を繰り返していたことも不安材料の一つでした。
そんな時に、うつでも就職を支援してくれる転職エージェントの存在を知りました。
うつなどの精神障害に対する知識のあるスタッフが1からサポートしてくれ、ストレスやコミュニケーションなどのトレーニングも行ってくれます。
こういった就職支援サービスがあるということを知らない方も多いのではないでしょうか?
当時のわたしは、indeedや健康な方が利用する有名転職サイトをいくつか利用していましたが、中にはヒアリング時に「うつ病を患っている」と言うとそれから先全く連絡が取れなくなるというような、酷い扱いを受けることも多々ありました。
きっと当時の時代背景や間違った情報などもあってのことだったのでしょう。
現在もそういった扱いをしてくるサイトばかりと言うことではないと思いますが、できるならうつ病に特化しているエージェントを選んだ方が安心だと思います。
中には、障害者雇用枠と一般雇用枠のどちらでも好きな方を選んでサポートを受けられるサイトもありますので、「障害者雇用はちょっと・・・」と言う方にもおすすめです。
詳しい転職エージェントについては、別の記事でまとめようと思いますが、うつ病に特化した転職エージェントとはどんなものなのか?一部を下記に載せておくので一度ご覧になってみてくださいね。
【キズキビジネスカレッジ】 【atGPジョブトレ うつ症状コース】 dodaチャレンジ障害者福祉サービスにも注目
もし一般の会社に就職がどうしても困難な場合は、障害者福祉サービスを利用するのも一つの手です。
引用元:厚生労働省
就労移行支援や就労継続支援A型(雇用型)・就労継続支援B型(非雇用型)、就労定着支援などがあります。
それぞれのサービスについて詳しく書かれたサイトを載せておきますので、参考にしてください。
◉ 就労移行支援
◉ 就労継続支援A型
◉ 就労継続支援B型
◉ 就労定着支援
障害者と認定されなくては利用できないサービスですが、こういったものもあるので一度専門のサイトや市の福祉課などで相談されることをお勧めします。
ちなみにわたしは、就労継続支援A型と言うサービスを利用していたことがあります。
当時は事業所が少なく遠くまで通っていましたが、1日4時間、週5〜6日の勤務でした。
全員何かしらの障害を持った方と働いていたので気が楽でした。
こう言うと、障害者ということに偏見を持つ方もいらっしゃるとは思いますが、みんな働くと言うことに真剣に取り組んでいます。
同じ精神障害者も多く在籍していたので、情報交換や辛い気持ちの共有もできました。
わたしの勤めていた事業所は、襖の張り替えと言う専門性の高い仕事内容で、皆さんのイメージにある黙々と細かい作業や検品をすると言うものではありませんでした。
色んな仕事内容の事業所があるので、自分に合ったものを探してみてください。
そして、元気になって一般の仕事ができる!と言う状態になった時には、障害者福祉サービスの利用をやめて、一般の会社に晴れて就職!!と言う形も可能ですので、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「うつ病になったから、社会復帰は絶望的・・・」と言う思いが少しは無くなってくれていたら嬉しいです。
社会復帰を目指す前に、しっかりと治療を受け、自己認識を深める。
そして日常生活を見直し、無理はせずに段階的にアルバイトやパートからチャレンジしてみる。
その後、転職エージェントを利用したり、場合によっては障害者福祉サービスを利用していく。
こういった流れが大事だと思います。
焦らず、無理をせず、ゆっくり、小さなステップを踏んで成功体験を増やしていきましょう!
「失敗したからもうダメだ!終わりだ〜!」
なんてことはないんです。
ゆっくり休息を取って、またチャレンジしてみればいいんです。
自己嫌悪や自己否定なんてしなくて大丈夫です!
その気持ちは経験済みなので痛いほどよくわかりますが、何の解決にもならないばかりか、余計に負のスパイラルにハマっていくことになります。
あなたには、わたしと同じ経験をして欲しくないので、焦らず、自己否定せず、少しずつ成功体験を重ねていってくださいね!
最後まで読んで頂いてありがとうございました。